• Kumi Umuyashiki

3つの脳

最終更新: 9月24日

 人の脳には3つの脳があると言わています。

 その3つは、「爬虫類脳」、「哺乳類脳」、「人間脳」と呼ばれ、それぞれ役割を持っています。そしてそれぞれが切り離されて機能しているわけではなく、連携して機能しています。


 「爬虫類脳」は一番原始的な脳であり、脳幹あたりのことで、生きるための活動(呼吸、血液循環など)を管理しています。ここは本能が宿る場所でもあり、生きることを中心に機能するので、生命に危機が及ぶような変化を好みません。


 「哺乳類脳」は大脳辺縁系にあり、感情や、心地よさ、不快さに関係があります。ここは「感じる」脳であり、人と犬はこの箇所を通じてコミュニケーションしていると、以前何かの本で学んだことがありました。ここは繋がりを求める場所でもあり、哺乳類は仲間と生きることを好みます。


 「人間脳」は大脳新皮質にあります。「理性の脳」ともいわれるその最も新しい脳の部位は、人に特有のものです。言語を使い、学習し、思考する脳です。


 この3つの脳は、「本能」「感情」「理性」とも呼ぶことができるかもしれませんが、この3つの脳が別々に機能しているわけではない、ということを知ることが、とても大切なことのようです。


 以下、神経内分泌学者であるロバート・M. サポルスキー (Robert Sapolsky)博士のビデオから学んだことを紹介してみたいと思います。


 「爬虫類脳(本能)」とは生きる機能と直結しているので、刃物で切られるなど、命に係わる危険にさらされると、爬虫類脳が心拍を上げたりしながら、「生きよう!」という反応を起こします。


 仮に目の前に恐ろしい化け物が出現したとして、それが直接命に係わるような問題がなかったとしても、「哺乳類脳(感情)」が「怖い!」と反応してしまうと、「爬虫類脳(本能)」にスイッチが入り、結果心拍が上がったり、血圧が上がったりします。

 これはいわゆるストレス反応ですが、体に傷を負ったから起こるようなストレス反応ではなく、感情レベル(哺乳類脳)で起こったことが爬虫類脳(本能)に影響を与えて起こすストレス反応です。


 さらには、人間脳(理性)が、哺乳類脳(感情)や爬虫類脳(本能)に影響を与えることもあります。例えば・・・。私は最近ウォーキングデッドというゾンビ番組を結構楽しみながら観ているのですが(笑)、そこで戦いシーンになると、感情レベルで焦りや恐い!という感覚を覚え、心臓はドキドキ、手に汗を握ります。(役者もね、ハンサムだからドキドキすることもあるんですけどね 笑)。

 「これはただのストーリー」と理性で分かっていても、感情とか本能(生命活動)にも影響が与えられているってことです。


 これってなんでもないことのように思えるかもしれないですが、結構大切なことをここで私たちは学んでいるのです。


 トラウマになるようなニュースや出来事を見たり聞いたりすると、感情のスイッチが入って、生命維持活動にも何等かの影響を与えます。


 あるいは、過去に起こったことを思い出して、怒りをもったり、悲しんだりすることも、生命維持活動にストレスを与えます。


 また、逆のことも言えるそうです。

 例えば、お腹が空いているとき。爬虫類の脳はそれを感知しますが、その影響が感情や理性にも表れてしまい、空腹時に私たちが下す判断というのは、空腹でない時よりも非情で心ないものになってしまう傾向があると言います。空腹時は社交性に欠けてしまい、ウソをつく確率も高くなります。


 本能(爬虫類脳)が理性(人間脳)に影響を与えるのか?と驚くかもしれませんが、本能は感情や理性に大きな影響を与えています。


 また感情レベルでストレスがある時、人は衝動的な行動を起こしがちであり、思慮深くあることができなくなります(理性がうまく働かない)。

 

 このように、爬虫類脳(本能)、哺乳類脳(感情)、人間脳(理性)はお互いに影響を与えながら機能しています。


 ここでうれしいニュースがあります。

 私たちは上手に理性(人間脳)を使うことで、この3つの脳をうまく管理し、健康に良い影響を与えることができるというのです。


 今まででとても素晴らしかった出来事を思い出してみてください。

 理性レベル(人間脳)で、良い出来事を思い描くと、感情レベル(哺乳類脳)が反応します。すると喜びやうれしさの感情が起こってきます。人生で一番ハッピーだった時のことを考えることで、感情レベルだけではなく、心拍が穏やかになったり神経系が落ち着くような生命活動を起こすことができるのです。

 反対にマイナスなことばかり考えてしまったりすると、心拍が上がり、血圧が上がるというストレス反応が起こります。


 良いことを考える・・・。とても気持ちの良い自然の中にいることを想像してみる。大好きな犬と駆け回っている姿を思い出す。野原で綺麗な空気に包まれている姿を想像をする・・・。


 何を考えるのか。

 これは「何を考えるのか」について、考えることでもあるのです。


 英語では、これを"active conscious thinking"言いますが、「思考に気を付ける」ということです。


 以前ストレスの勉強をしていた時に、「精神神経内分泌免疫学」という言葉に出会ったことがありました。精神が神経系に影響を与え、神経系が内分泌系と共に機能し、免疫系に影響を与える、というのが、読んで字の如く、その意味なのではないかと思います。これも、私たちの心が、健康にどれだけ影響するかを言っているのでしょう。


 以前もブログに登場したDr.Mateは、「脳は外部と内部から同じくらいの情報を得ている」と言っています。私たちの脳が体内から得る情報に対して、私たちがどれだけ繊細であれるかが、社会でどれだけうまくやっていけるかに大きな影響を与えているというのです。


 英語では"gut feeling"という言葉がありますが、日本語に訳すとそれは「直観」のようなもので、このgutというのは、「内臓」という意味でもあります。この内臓感覚とのコネクションがないと、外の世界でうまくやっていけない、というのです。


 人の本能が感情や理性と上手にコネクトする(繋がる)ためには、幼い頃にそれが上手く育つ環境(愛着)が必要だと言われています。その繋がりがうまくできた人は、危険にさらされた時、以下の3つのことのどれかを行います。

① 戦う

② 逃げる

③ 助けを求める


 しかし幼い頃に脳内のコーピングメカニズムが最適に形成されないと、脳内神経伝達物質(ホルモン)が上手に分泌されなくなり、ストレスを与えられるような出来事に対して、"dissociate" 解離(スイッチオフ)してしまうそうです(無意識的防衛機制の一つ)。

 また、幼い頃からこの世界が安全ではないという環境の中で育つと、危険ではないことまでを危険とみなし信頼関係を結べなかったり、反対に危険なことを安全だと勘違いしてしまい、危険な環境に身を置きたがるようになってしまうこともあるというのです。


 日本の私たちには、いま大きな課題があります。日本人の「甘えの集団文化」と、西洋の「個人主義の文化」の融合は、あまりにも難しいもののように感じられてなりません。

 上手に愛着を育みながらも自立した人を育てる方法は、誰も教えてくれませんでしたし、混乱している社会の中で、ひきこもってしまったり、孤独を感じている人たちが沢山います。

 

 私にはまだまだ答えはわかりませんが、何よりも自分からスタートするということと、科学で分かってきていることを学びながら、希望を持って、できることを行い、伝えていけたら良いなと思います。


 私も2020年は日本に帰国する予定ですが、思考に気を付けながら、また、空きっ腹にならないようにしながら、できるだけ良い波動を広げていきたいなと思っています。


何事も最初の一歩から・・・

【補足】

このブログのために参考にさせて頂いたビデオのリンクは☞こちら☜です。英語です。

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