Kumi Umuyashiki
異文化コミュニケーション
更新日:2020年9月10日
海外や英語に興味がある方、日本人と英語圏の人々の違いを知るために、
コロナで国内にいる間に、異文化コミュニケーションについて、一緒に学んでみませんか?
英語ができるから、相手を理解できるわけではありません。
英語ができるから、相手に理解されるわけでもありません。
文化の違いは言語に表れます。
例えば、日本語で「よろしくお願いします」と言いますが、
英語にはその表現がありません。
日本人が英語圏の人に、「よろしくお願いします」と言いたい時、
英語でそれをどうやって伝えるのでしょう?
日本人はなぜ、「よろしくお願いします」、と言うのでしょうか?
考えたことは、ありますか?
1996年から日本、イギリス、カナダを行ったり来たりする生活を送り、
英語はある程度できるようになりましたが、
私は未だに、「クリア」で「直接的」なコミュニケーションが苦手です。
同時に、「曖昧」で「何が言いたいかわからない」コミュニケーションも苦手です!
コミュニケーションとは、"誰と行っているか"よって、
同じことが必ずしも、同じように伝わるわけではないからです。
日本語は「曖昧」を好む言語であり、
日本は相手に察してもらうこと、
相手の気持ちを察する気遣いを、大切にする国です。
英語圏の人たちは、「はっきり言わなきゃわからない」ので、
(それが "親切なこと" だと思っている)、
伝えにくいことでも直接的にズバッと言ってきます。
私は日本と英語圏で、日本人、イギリス人、ノルウェー人、ルクセンブルク人、カナダ人、アメリカ人と一緒に暮らしたことがありますが、英語はできても上手にコミュニケーションできなくて困ったこと(誤解が生じたこと)が結構ありました。
台所仕事ひとつにしても、日本人は相手に言わなくてもやってくれることが圧倒的に多く(察してくれる)、本当に楽なのですが、それを、「甘えの文化」と呼ぶ人たちもいたりします。なぜそれが、甘えの文化なのでしょうか・・・。
今となっては、通訳という仕事をしながら、英語が生活や仕事の一部になってしまっているので、これは自分の試練と思い向き合っていますが、言語を学ぶことは、文化を学ぶことでもあり、コミュニケーションを学ぶことは、自分の育った環境・暮らしてきた環境(国や家族や学校や会社など)において、どんな風に意思疎通をしていたのかを、顧み、理解することでもありますね。
昔から行われていたコミュニケーションの形式が、必ずしも有益なものだったと、言えない場合もあります。
これから英語圏に行かれる方は、きっと英語を知ると共に、文化の違いやコミュニケーションの違いについても、少しは理解しておかれると、良いかもしれません。
一緒に異文化コミュニケーションについて、楽しく興味深いお勉強をしてみましょ。
※このクラスは終了しました。

【おまけ】
「Clear(明瞭) で Direct (直接的)なコミュニケーション」が好ましいものとして説明している英語のサイトを、以下に翻訳してみますね。
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コミュニケーションには以下のような種類がある。
・クリアなコミュニケーション (Clear Communication)
・濁したコミュニケーション (Masked Communication)
・直接的なコミュニケーション (Direct Communication)
・遠まわしなコミュニケーション (Indirect Communication)
(Epstein, Bishop, Ryan, Miller, & Keitner, 1993).
クリアなコミュニケーションとは、飾りなく語られるメッセージであり、
家族のメンバーに容易に伝わりやすい内容で行われる。
濁したコミュニケーションとは、内容が濁されて、曖昧なもの。
直接的なコミュニケーションとは、伝えたい相手に向けてまっすぐ語られるもの。
遠まわしなコミュニケーションとは、伝えたい相手ではない相手へ向けて話しているようなコミュニケーションのこと。
◇ 4つのスタイルのコミュニケーション ◇
Epstein氏は、コミュニケーションスタイルには以下の4つがあるとしている。
1. クリアで直接的なコミュニケーション
もっとも健康的なコミュニケーション。メッセージはクリアに、直接的に、適切な相手に伝えられる。
例) ゴミ出しを忘れた息子にお父さんががっかりしていることを伝える場合:
「息子よ、今日はゴミ出しを忘れてしまったね。お父さんがそれを思い出させないといけなかったね。それでお父さんは、がっかりしたんだよ」
2. クリアで遠まわしなコミュニケーション
メッセージはクリアだけれど、相手のことではないように表現する場合のこと。
ゴミ出しの例をこのタイプのコミュニケーションで行うと、「誰かがゴミ出しを忘れるって、がっかりすることだよな・・・」となる。息子がこれを聞いたら、お父さんは自分のことを言っているのかどうかがわからない。
3. 濁らせるが、直接的なコミュニケーション
言っていることの内容は曖昧だが、誰に向かって言っているかがはっきりしている場合。ゴミ出しの例で行うと、「息子よ、人間は大体からして、頑張って仕事をしないもんだよ」。
4. 濁らせ、遠まわしなコミュニケーション 内容も曖昧で、誰に伝えたいのかが分からないコミュニケーション。このタイプのコミュニケーションは、家庭内でとても不健康なものとなる。ゴミ出しの例で行ってみると、「最近の若者は怠け者だよ」となる。
皆さんの家族、学校、職場では、どんなスタイルのコミュニケーションが取られていますか?自分はどんなコミュニケーションスタイルで、相手に気持ちを伝えていますか?
リンク☞ https://www.pubs.ext.vt.edu/350/350-092/350-092.html