• Kumi Umuyashiki

トラウマセンシティブヨガ 300時間認定ファシリテーターになりました

長い間、書こう書こうと思っていて、もう6月も後半になってしまいました。


2020年9月からアメリカより、トラウマセンタートラウマセンシティブヨガ(TCTSY)の300時間コースを受講していましたが、2021年3月に無事卒業し、300時間の認定ファシリテーターとなりました (TCTSY-F)。


このコースは私が今まで受けたヨガのトレーニングの中で一番勉強したトレーニングでした。同時進行で発達性トラウマに対するサイコセラピー(Compassionate Inquiry)をカナダから受けていたため(これはまだ継続中)、トラウマ理論や愛着理論、神経科学などの面では同じようなことを重複して学べたので助かりました。


日本人のトラウマセンシティブヨガの認定ファシリテーターは3人しかおらず、一人の方はアメリカに住んでおられます。もう一人はお友達のサントーシマ香さん。私が3人目となりました。


このコースはすべて英語で行われるので、英語ができないと受講が難しいですが、コース中の私のパートナーは、英語ができない韓国人の女性でした。彼女は毎回通訳を連れてミーテイングに来ていたり、実技を動画で提出する際には韓国語でTCTSYを行い、それに英語の字幕を付けていました。


トラウマセンシティブヨガのスーパバイザーの方々は、色んな国の参加者の言語や文化の違いにも繊細に配慮してくださいました。コースは難しかったですが、居心地良く最後まで受講できました。


ここにトレーニングの全体像として書かせて頂くと、前半は隔週ごとに英語での短いレポート提出がありました。発達障害とトラウマの関係や、愛着理論、神経科学、文化社会的な問題等、沢山の論文を読んだり動画を見たりしながら、真剣に考え書かなくてはならない課題ばかりでした。


後半は8本のトラウマセンシティブヨガの動画を撮影して提出する課題に変わりました。私のスーパバイザーはオーストラリア人のマリアさんという方でしたが、私は日本にいるのだから、4本は英語で、残りの4本は日本語で英語の字幕付きで行うように提案されました。


TCTSYは、どういった言葉掛けをするかをとても大切にするため、英語での言葉掛けもネイティブの方でも慣れるまでに時間がかかります。それを日本語にしたときに、英語と日本語の言語の違いにとても悩みました。同時に言語文化がどれだけ私たちの精神に影響を与えているかということにも、今まで以上に気付くことができました。

このあたりは、「甘えの構造」(土居健郎)や河合隼雄先生の文献に沢山助けてもらって、特に、主語を省く日本語が自我や自己の構造に与える影響を探求すると、日本人の特色に対して納得の連続でした。


300時間の最終プロジェクトは論文を書くことでした。内容はトラウマセンシティブヨガの理論で学んだことに関連している物であれば何でも良いことになっていました。

私は最初、妊婦さんや赤ちゃんとヨガを行うプロジェクトを考えていて、愛着理論について書こうと思っていたのですが、日本語でTCTSYを行うことを考えれば考えるほど、まずは日本文化と言語について学び書かないと先に進めないと感じ、論文のテーマが"Facilitating TCTSY in Japanese in Japan" (日本で日本語にてトラウマセンシティブヨガを提供すること)になりました。


ここから「菊と刀」や「言葉と文化」、日本の「縦社会」についてなど、目がショボショボになりそうなくらいに英語と日本語で本を読んだり、また、ある程度APAのガイドラインに従って論文を書く必要があったため、引用の仕方やレファレンスの書き方を調べるのも本当にクタクタでした(苦笑)。また日本語の本からの引用は自分で英語に翻訳して引用したり、今思うと、とんでもない作業でした(笑)。


日本語を使っていかにTCTSYのエッセンスを伝えることができるのかと模索したわけですが、何度も日本語で試してみたりしていると、日本語のTCTSYが不自然なのか自然なのか、その判断さえも朦朧としてしまっている時期もあったような気がします(ゲシュタルト崩壊的に)。


私の最終プロジェクトには日本人の10名の方に参加して頂き、日本語でのTCTSYを受けて頂いきました。いくつかの質問に回答して頂いたりしながら、日本人には私の言葉がけがどんな風に聞こえるのかを調査しました。(参加頂いた方々、ありがとうございました)。


調査の内容としては、TCTSYの五大要素となっている、

  • 招き入れるように / Invitational Language

  • 選択する場の提供 / Choice Making

  • 今の体験 / Present Moment Experience

  • 独自の体験の共有(内受容感覚)/ Shared Authentic Experience (Interoception)

  • 強制しない / Non-Coericion

が日本語で行えていたかをアンケートで尋ね、回答してもらうものでした。

結果は、ほとんどの方がすべての項目において、問題はなかったと答えてくださいました。中にはいくつか日本語が不自然だという回答もありました。

考えれば考えるほど、日本語自体が強制を促さない言語でもあるなと感じます。但し日本語は自分と相手を分ける主語を省くことが多いため、独自の体験を促すのが難しいような気もします。でもやり方によっては、共感性を保ちながら相手の体験を尊重しやすい言語かもしれない。もちろん、語る内容は、どんな態度でどんな声のトーンで話すかにもよっても伝わり方が変わります。


論文を書きながら、引きこもり問題も含め、日本について色々学ぶことができたのと、日本語という言語と日本文化や日本人の精神が密接に絡み合っていることに以前に増して気付けました。


言語表現が繊細なだけ、トレーニング中は、今よりもガチガチになっていたのかもしれないなって最近思ったりもしています。もう少し、砕けた表現でも良いのかもしれない、そして「私が私であること(authenticity)」が、「相手が相手であれること」にとっては大切な要素なんだから、「私らしさ」というものをなくしてしまわないようにしながら…。

お互いの「独自の体験」を尊重すること。それは、「自分の確立」には欠かせないことであって、私とあなたが、必ずしも同じことをして、同じように感じてなくても良いということなのである。


というようなことを、TCTSYのトレーニングを卒業してからも、悶々と考えていたため、このトレーニングの修了報告するのが遅くなってしまいました。


TCTSYのWebsiteには私はまだ載っていませんが、きっと近々紹介されると思います。そして少しずつでも、このトレーニングで学んだことで、日本の人たちの助けになるようなヨガを、提供していけたら良いな、、、と思っています。


トラウマセンシティブヨガのクラスについてはこちらをご覧ください。


【補足】

トラウマセンシティブヨガの300時間コースの受講を考えておられる日本人の方がおられたら、どんなコースだったかお伝えできますので、もし良かったらご連絡ください。


トラウマセンシティブヨガ
TCTSY300時間修了証




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