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  • 執筆者の写真Kumi Umuyashiki

ストレスマネージメント(パート2)

更新日:2020年11月24日

前回のブログで、ストレスについて結構な長文を書いたのですが、その続き。


"Why Zebras Don't Get Ulcers" (どうしてシマウマは胃潰瘍にならないの?)の著者であるRobert Sapolsky(神経内分泌学者)が、この本の最後の方で、ストレスマネージメントについて、まとめている箇所があります。

その内容がとても役に立ちそうなので、要約して、ここに残しておこうと思いました。



【ストレスマネージメント】


(1) 解消法を見つけること

祈り、瞑想、ダンス、精神分析、スポーツなど、ストレスの緩和に繋がる、自分に合った解消法を見つける。

良質の書物等で、ストレス解消には何が役立つかを学んでみる。

但し、誇大な宣伝などには惑わされないように。

色々行ってみて、主観的に効果をチェックして、その感覚を信じること。


★ わたしの場合は、ヨガ、自然の中での散歩、瞑想、文字にして問題の層別をすることなどが、ストレスの緩和をしてくれます。



(2) どうすることもできない、予防策もない、完治しない場合

人生において、どうすることもできない、予防することも、完治することもできない問題に遭遇した時、問題を「なかったことにする(denial)」ことで、ストレス緩和することができる。

「なかったことにする(否定する)」という選択は、やってはいけないことではない。

どうすることもできない大きな問題に遭遇した場合、それを否定しない限り、精神が崩壊してしまうことがある。但し、これはストレスがどうしようもないくらい大きい場合のこと。


ストレスがそこまで大きくない場合においては、望みを持つことが大切。自分を守り、理性的な状態で、望みを持つこと。


★ カナダの知り合いで「なかったことにする(denial)」ことで、その時の苦しみを超えられた、という人がいました。とてもパワフルな体験だったそうです。

一般的に対処可能なストレスに関しては望みを持つこと。でも、どうしようもない、どうすることもできない強いストレス要因に関しては、「それがなかったことにする」というのは、とても興味深いと思います。



(3) ストレスマネージメントが上手な人とは

・起こったことや過ぎたことを、どうにかしようとしない人。

・未来のことで、今どうすることもできないことを、どうにかしようとしない人。

・壊れていないものは、なおさなくても良いと知っている人。

・修復不可能なものを、どうにかしようとしない人。

・以下のような考え方ができる人。

「大きなストレスは、ひとつの大きな解決策で対応できるわけではない。

いくつかの様々な小さな方法を組み合わせることで、大きなストレスに対応すれば良い」


★ 西洋人はコントロールできない状態になるとどうにかしようとパニックになる。仏教徒はコントロールできない状態だったらリラックスすれば良いと考える。そんな言葉を思い出しました。(西洋人に対する差別的意見ではありませんが)。



(4) 予測にも、良し悪しがあることを知る

ストレスは、「この先どうなるのか」を予測できるかどうかによって、その大きさが変わる。予測できた方が、ストレス緩和になる。

但し、予測する場合、以下に気を付けること。

・それは正確で有効な情報なのか?

・その予測は、タイムリーなものか?

例えば、何かが起こる2年前にそれを予測できても、あまり効果がない(時間が長すぎる)。または、何かが起こる2秒前では、予測の役に立たない(時間が短すぎる)。

・情報が多すぎることも、問題。情報が多すぎることが更なるストレスになる。

・知りたい情報ではなく、悪い情報ばかり入ってくる。


★ 今の社会、情報は過剰です。WHOが新型コロナウィルスについて、パンデミックではなく、「インフォデミック(infodemic)」が起きていると表現しましたが、infodemicとは、information pandemic の略で、「情報のパンデミック」という意味もあります。根拠のない情報の氾濫によって、わたしたちは大きなストレスにさらされてしまいます。



(5) 社会的つながり、サポートを持つ

信頼、安心でき、サポートし合える社会的繋がりを持ちましょう。


★ 人付き合いが上手な人、内向的な人、ひとりが好きな人。色々あると思いますが、どんなにひとりが好きであっても、人はひとりぼっちでは生きていけません。ひとりの時間を持ちながらも、信頼できる仲間を持つことも可能です。



2020年は新型コロナウィルスで世界中の人たちがストレスを抱えています。わたしも計画がどんどん変わっていってしまって、わからないことだらけ。


Robert Sapolskyのストレスについての書物は、頭の整理になりました。

皆さんのお役にも立ちますように。


健康で、ご飯が食べられて、ヨガや散歩ができて、静かに座る時間があることに、感謝を感じずにはいられません。

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